輸出入の仕事その四 書類の作成

グッドイブニング、ワタナベです。

 

さて、今まで輸出入の申告に必要な処理や書類なんかをザックリと書いてきましたが、じゃあ実務的にはどんな風に書類をチェックしていくのかを書きたいと思います。ちなみに、税関に申告のために提出する書類を通関書類と言います。この通関書類の作り方です。

 

今回は輸入の場合の作り方を例に挙げてみます。

 

1  インボイス仕入書)に記載貨物の金額をチェックする。だいたいが単価×商品個数、もしくは正味重量なので横計算し、申告貨物が複数ある場合はそれぞれ横計算して合計額を検算します。

2  支払いの形態、貿易形態を確認する。日本と現地間の決済がどういった流れで行われているか、貿易形態(インコタームズといいます)はどれが採用されているかを確認します。

3  パッキングリスト(包装明細書)にて正味重量と個数を確認する。申告書には基本的に正味重量をうたいます。

4  BL(船荷証券)の内容をチェックする。BLに記載の荷送人と荷受人がインボイスと一致しているか、記載の個数と重量がパッキングリストと一致しているか、品名が一致しているかを確認します。

5  アライバルノーティスをBLと付け合わせ、今回輸入貨物に対する金額の請求の有無を確認する。場合によっては申告価格に加算して申告しなくてはなりません。

6  申告の税番(HSコードといいます)を決める。分厚い関税定率表から貨物がどの税番に該当するのかを決めます。これによって税率が決まってきます。最初はこれがかなり大変ですが、慣れてくるとちゃちゃっと決められます。

 

こんな感じでコツコツとチェックと付け合わせをして書類を仕上げていきます。そして申告書をNACCSという専用のシステムで入力作成し、通関士の書類審査を経て税関への申告となります。

 

あー難しい。我ながら良くこんな複雑で面倒なことをしてきたなと思います。

 

ところで、通関書類には作成者の美的センスが反映されると考えています。僕が作成した書類はとても美しいなと思います。いや、本当に。ひょっとしたらその喜びや達成感を味わいたくてこの仕事をしてきたのかもしれません。